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銀座通り法律事務所
 事例紹介 - 刑事事件

1 刑法犯罪の法定刑

 刑法とは刑罰を規定した法律で、その中心が刑法典です。刑罰法務に規定されている刑を法定刑といいます。  主な刑法犯罪の法定刑は次のとおりです。

現住建造物放火 死刑、無期もしくは5年以上の懲役
住居侵入 3年以下の懲役又は10万円以下の罰金
強制わいせつ 6月以上10年以下の懲役
強姦 3年以上の有期懲役
集団強姦 4年以上の有期懲役
強制わいせつ等致死傷罪 強制わいせつのときは無期又は3年以上の懲役
強姦のときは無期又は5年以上の懲役
集団強姦のときは無期又は6年以上の懲役
殺人 死刑又は無期もしくは5年以上の懲役
傷害 15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
暴行 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料
業務上過失致死傷 5年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金
名誉棄損 3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金
窃盗 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
強盗 5年以上の有期懲役
強盗致死傷 負傷させたときは無期又は6年以上の有期懲役
死亡させたときは死刑又は無期懲役
詐欺 10年以下の懲役
横領 5年以下の懲役
境界損壊 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 これらの罪を犯してもすべての犯罪が起訴されるわけではありません。また起訴されても初犯のときは刑の執行が猶予され、刑に服さなくてよい場合が少なくありません。また事実無根であれば無罪となります。有罪でも未遂の場合は減刑されることが多く、既遂の場合でも情状酌量により減刑されることが少なくありません。何はともあれ捜査の対象となった時はできるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

2 量刑分布表

 最高裁判所は判決のあった刑事事件について罪名別に量刑分布表、グラフを公表しています。平成20年4月から平成24年3月31日の第一審判決宣告分は特別資料2(量刑分布)のとおりです。裁判員制度が始まったのは平成21年5月21日からです。

3 裁判員制度について

 以下は最高裁判所の裁判員制度に関するホームページから引用しました。

(1)裁判員制度とは
 平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が,成立し,平成21年5月21日から裁判員制度が始まりました。 裁判員制度とは,国民が裁判員として刑事裁判に参加し,被告人が有罪かどうか,有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。
 国民が刑事裁判に参加することにより,裁判が身近で分かりやすいものとなり,司法に対する国民の信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア等でも行われています。

(2)裁判員制度の対象となる事件
 代表的なものをあげると、次のようなものがあります。
・人を殺した場合(殺人)
・強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
・人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
・泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
・人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
・身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
・子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
・財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反)

(3)裁判員裁判の手続
 裁判員裁判の手続は,裁判官のみによる現行の裁判手続と基本的に同じです。しかし,法廷での審理が始まる前に,裁判官,検察官,弁護人の三者で,ポイントを絞ったスピーディーな裁判が行われるように,事件の争点及び証拠を整理し,明確な審理計画を立てるための手続(公判前整理手続)が行われる点が異なります。また,これまでの裁判は,約1か月おきに間隔をあけて行われることが多かったのですが,裁判員裁判においては,公判前整理手続の中であらかじめ訴訟の準備を行うことができるため,公判が始まってからは,連日的に開廷することが可能になり,多くの裁判員裁判は数日で終わる計算になります。 さらに,裁判員にわかりやすいように,メリハリのある裁判を行うように様々な工夫がされ,例えば,証拠調べは,厳選された証拠によって行われますし,争いのない事実については,その事実や証拠の内容・性質に応じた適切な証拠調べがされるようになります。また,当事者(検察官又は弁護人)双方の尋問は,原則として,連続して行われますし,論告・弁論も,証拠調べ終了後できる限り速やかに行われることになります。

4 被害者が刑事裁判に参加する制度

 以下は最高裁判所のホームページから引用しました。

Q. 被害者等が刑事裁判に参加する制度とはどのようなものですか。
A. 殺人,傷害,自動車運転過失致死傷等の一定の刑事事件の被害者等から申出があり,裁判所が相当と認める場合に参加が許可されます。その場合には,原則として,公判期日に出席することができるほか,刑事事件についての刑事訴訟法の規定による検察官の権限行使に関し,意見を述べたり,説明を受けることができます。 また,一定の要件の下で情状証人や被告人に質問したり,事実又は法律の適用について,意見を述べることができます。
 なお,資力(※)が200万円に満たない被害者参加人は,国が報酬や費用を負担する国選被害者参加弁護士の選定を求めることができます。
※資力とは,預金,現金等の合計額をいい,6か月以内に犯罪行為を原因として治療費等の費用を支出する見込みがあれば,その費用は資力から控除されます。

Q. 被害者等による意見の陳述とはどのようなものですか。
A. 被害者等は,希望する場合には,被害感情その他の事件に関する意見を法廷で述べることができます。この意見陳述により,被害者等は一定の範囲で刑事裁判に主体的に関与することができ,また,被告人に被害感情や被害の実態を十分に認識させることになれば,その反省や立ち直りにも役立つ場合があると考えられます。

Q. 訴訟記録の閲覧及び謄写とはどのようなものですか。
A. 刑事事件においては,裁判が進行中の事件では,その訴訟記録を一般の人が閲覧したり謄写したりすることはできません。しかし,刑事事件の被害者等については原則として,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。また,閲覧謄写をしようとする事件の被告人等により行われた,その事件と同種の犯罪行為の被害者の方(同種余罪の被害者)は,損害賠償を請求するために必要があると認められる場合には,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。

Q. 損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度とはどのようなものですか。
A. 殺人,傷害等の一定の刑事事件が地方裁判所に係属している場合に,その刑事事件の被害者又はその相続人等は,刑事事件を担当している裁判所に対し,被告人に損害賠償を命じる旨の申立てをすることができます。そして,被告人に対し有罪の言渡しがあった場合,直ちに損害賠償命令事件の審理が開始され,原則として4回以内の期日で簡易迅速に行われます。この手続では,刑事事件を担当した裁判所が刑事記録を職権で取り調べるなど,被害者等による被害事実の立証が容易になっています。なお,4回以内では終わらない場合や損害賠償命令の申立てについての裁判に対して異議の申立てがあった場合等は,通常の民事訴訟の手続に移行します。

Q. 民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解とはどのようなものですか。
A. 裁判外で,被告人と被害者等との間で,被害弁償などを約束する示談ができたときには,その内容を書いた示談書が,刑事裁判で証拠として提出されることがあります。しかし,被告人等が約束どおりの支払をしないときでも,示談書だけでは約束の内容を強制的に実現することができません。そのためには,改めて,被告人等を相手に民事裁判を起こして判決を得てから強制執行をしなければなりません。このような被害者等の負担を避けるために,被告人と被害者等が共同してその合意の内容を刑事裁判の公判調書に記載することを求め,裁判所が合意の内容を公判調書に記載したときには,その記載に基づいて強制執行をすることのできる制度が設けられました。

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